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ベーシックサービス

更新日:2023年2月26日

2/16 連合三多摩ブロック地協の春闘総決起集会。井出英策教授のベーシックサービス宣言と題する講演を聞きました。日頃私が考えていることや、仲間と議論している内容と重なるところが多く共感するところ大でした。 


 コロナでさらに拡大する格差。政府はお金配りで5万円では多いの少ないのとやっていますが、財政状況を顧みることも政策効果を検討することもなく、政治の責任放棄であると感じます。バブル崩壊以降、新自由主義的な政治や経営のもと、賃金抑制が長く続き、貯蓄ゼロ世帯が3割超という危機に弱い社会になってしまいました。労働人口の減少で人手不足なのに賃金は上がらず、共働きが増加。高齢者も生活のための労働や育児介護に時間を奪われ、地域力が低下し、そのフォローのためにまたお金を使う…という悪循環。都会はあらゆるサービスが金で手に入りますが、裏を返せばお金が無くては生きていけず、労働搾取が起こりやすく、生きにくさや少子化につながっています。



 日本のGDPの6割が家庭内消費であり、市民一人ひとりの消費活動をしっかり後押しすることが経済対策の基本であると思っています。そのためには将来に不安なく投資ができるような社会環境や賃金水準が必要ですが、今の日本にはそれがどれだけあるでしょうか。


 短期的には春闘での賃上げ、中長期的に必要なのは公共サービスの充実が求められます。賃金を得るのは、モノやサービスを買うためです。お金は色々な価値に転換できますし、保存もできるので、一定プールしておく意味はありますが、誰もが必要とする共通の社会基盤が充実していれば、プールしておきたい金額も少なくて済みますし、何か想定外のことが起きても余裕をもって対処できます。都知事が「5000円上げるからあとは自己責任で」という思いつきを政策とか言っていますが、行政の役割は民間市場に売っていないサービスを提供することではないでしょうか。義務教育や保健所、ごみ収集…今ある行政サービスのほとんどは、自己責任では済ませられない市民共通の利益から生み出されたものです。


 サービス提供の財源は税という事になりますが、法人税なのか消費税なのか所得税なのかあるいは…税の種類や特性もありますのでそこを詰めていくことが政治の役割と思います。近年、政府は貨幣流通量を自由にコントロールできるのだから、どんどん刷って国民に配ればいいという説もありますが、海外の通貨とのバランス上、そんなに簡単な話ではないと思いますし、それができるのならばベーシックインカムは実行可能です。最低保障費をお金で支給するやり方は、当事者責任(政府の無責任)を強める側面もあります。最低保障費を生活以外に使ってしまったら、あとは飢えようが死のうが政府は何もしません、という理屈も成り立ちます。居住環境や心身状態により最低限と言える金額は人それぞれ違います。酒やギャンブルで浪費してしまう心の病気の人も居ますし、家族の借金などで使わざるを得ない人も居ることでしょうが、モノやサービスの現物給付を軸とするベーシックサービスならそうしたリスクにも対応しやすいです。ただ、どこまでがベーシックと言えるのかは、議論の余地があります。例えば給食を完全無償化する自治体が増えてきていますが、宗教やアレルギーで特定の食品が食べられない人達への対応はどこまでできるのか。

 

 既にある公共性の高い事業の何を残し、育てるのかは今後も議論していかねばなりませんが、公共分野の充実こそが人口減少社会に対応するためのカギになると考えています。人口減少で税収が減るから事業を維持するためにDXで人件費を圧縮して効率化だ、などと言う議員もいますが、人口減少すれば必要な事業も減少しますし、人が少ない時代だからこそ人の力が重要になると考えています。








 



 


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